SEOにおいてSERPs上の検索順位をキーワード単位で把握することは重要であり、そのための専用の有料ツールが多く提供されている。ここではそういったツールの紹介ではなく、そもそもそのようなツールを使う必要があるのかについて見解を述べたい。
Search Consoleを活用すれば検索順位の確認は可能
Search Consoleには「掲載順位」の指標がありキーワード単位で掲載順位を確認することが可能になる。ちなみに掲載順位はページ単位で確認してもあまり意味はない。ページ単位の掲載順位は、そのページ全体の平均掲載順位となるため、ページに対しての検索エンジンに対する評価が上がった場合、多くのクエリを拾うようになるため、そのようなニッチなクエリの掲載順位により、逆にページ単位での掲載順位は下がったように見えてしまうため。
Looker Studioと連携が必須
Search Console単体で掲載順位を確認することは可能ではあるが、個々のキーワードの掲載順位を確認するにあたり、都度キーワードをフィルターにかけなかればならいため、掲載順位のレポーティング用途としては不向きである。そのため、Looker Studioと連携し掲載順位をLooker Studioで可視化することで容易に個々のキーワードの掲載順位の推移が確認可能となる。Looker StudioとはデータをビジュアライズできるGoogleが提供しているツールであり、Googleアカウントさえあれば無料で利用することができる。なので、一度Looker Studioで掲載順位をビジュアライズするまでの仕組みをつくってしまえば、有料の検索順位チェックツールのように課金する必要はなく、無料で使い続けることが可能になる。Looker Studioで可視化するにあたり、少しフィルターの設定が必要になるが、検索順位チェックツールに課金し続ける理由はないはずであり、最初に少し手間をかけてでもGoogleが無料で提供しているツールの恩恵を享受した方がよいかと思う。
なぜ有料の検索順位チェックツールが使われるのか?
検索順位チェックツールは未だに、有料のツールが使われている現状があります。これはなぜなのか?その理由はまず「検索順位チェックツールは有料のツールを使わなければいけないもの」といった先入観があるようにみえる。それもそのはず、Looker Studio自体の認知度がまだまだかなり低く、一般的なユーザーでLooker Studioを活用している人などまずいない。WEBマーケティング業界でもLooker Studioを扱える人が限られるのに、Looker Studioで検索順位チェックが可能であるといった情報が広まるわけがない。
アフィリエイト目的
最も知名度がある検索順位チェックツールではアフィリエイトがあり、多くの検索順位チェックツールもアフィリエイトに参加しており、拡散力があるブロガーやYouTuberが積極的にツールを紹介している背景がある。そのため、このような紹介を鵜呑みにするブロガーが多くいて、さらに有料の検索順位チェックツールの認知度が高まり、検索順位チェックは有料ツールを使うものといった先入観がさらに強固につくられるサイクルとなっている。
BigQueryも活用すれば完全な検索順位チェックツールが完成する
Search Consoleでは過去16ヶ月分のデータのみしか取得できない制限がある。またSearch ConsoleとLooker Studioを直接APIで連携した場合にはデータ量によってはLooker Studioのレスポンスが悪くなることもある。このような制限を撤廃するには、一度Search Consoleで取得したデータをBigQueryにエクスポートし、そこからLooker Studioで読み込む形にすれば全ての制限を撤廃することが可能となる。
BigQueryもGoogleが提供しているツールであり、Looker Studioと同様に実質無料で使用することが可能。実質といったのは、BigQueryの無料枠の中で収めることができれば無料で使うことができるのではあるが、よほどの大規模なサイトではない限り無料枠の範囲内で使用することが可能。BigQueryの料金体系には2種類あり、1つはストレージ料金ともう1つは分析料金。ストレージ料金に関しては累計10GBを超えた時点で課金対象となるが、目安として1ヶ月に数万PVがある程度のサイトであれば10GBに到達するまでは早くても1年以上はかかる。また仮に10GBを超えたといしても急に大きなコストがかかることもなく非常に安価な料金体系になっているため心配する必要はない。分析料金に関しては1ヶ月に1TBまでが無料枠となっており、こちらも適切なデータパイプラインを構築しておけば1TBを超えるということにはならない。
高速なレスポンス
BigQueryのデータとLooker Studioを連携する方法は、高度なことをしようとすれば少し難易度が高くなり設定も初心者にとってすぐには理解しがたいものになってしまうが、単純な方法を利用すればすぐに連携することができるし、よほどの大規模サイトでない限り、高度なデータパイプラインを構築する必要性もない。このようにBigQueryをLooker Studioを連携することにより、データの取得元をSearch ConsoleからBigQueryに切り替えることができるため非常に速いレスポンスを得ることが可能になる。
完璧なテンプレート・コーディングを提供
Search ConsoleとLooker Studioを連携して簡易的な検索順位チェックを確認することは簡単ではあるが、それでもそのまま連携しただけでは、キーワードごとに出力される掲載順位の値を正確に取得することはできない。ひと手間、設定を加える必要がある。また、BigQueryとの連携ではSQLを用いてデータを取得・整形する必要があるが、数百行のステップ数が必要になるため、初心者がコードを完成させることはかなり難しいだろう。この点に関しては、Looker StudioのテンプレートとSQLをnoteにて提供しているため、時短して完成形を手に入れたい方は購入を検討して頂きたい。