GA4 ランディングページ レポート

GA4の標準レポートには「ランディング ページ」レポートがデフォルトで備わっていますが、UIの使いにくさと選択できる指標に限りがあるため、そのままでは十分にインサイトが得られるレポートにはなっていません。そのそも、これはGA4はそれ単体で分析を完結できるようなツールとなっておらず、イベントデータをBigQueryにエクスポートすること外部で分析を行う設計思想となっているからです。そのため、BigQueryはGA4に必須でありBigQueryなしにはまともな分析をすることはできないといってもいいでしょう。

ランディングページ レポートとは

よくある「ランディングページ レポート」の誤解として解説記事に書かれているのが、「ランディングページ レポートとはユーザーが最初にサイトに着地したランディングページのみに注力したレポートとなります」といった類のことが書かれていますが、これではイベントスコープでランディングページを捉えていることになり、正しいランディングページレポートの解説とはなっていません。「ランディングページ レポート」はセッションスコープをもとに集計されたレポートであり、そのセッションで発生したユーザーアクションの結果を、そのセッションの開始となったページ、つまり「ランディング ページ」に紐づけた結果が「ランディングページ レポート」となります。そのため、ランディングページ レポートを確認することで、そのセッションで成果に貢献したランディングページを特定することができる非常に重要なレポートとなります。それは起点としての評価であり、どこからの流入なのかの参照元情報よりも、どのページが起点となったかの「ランディングページ」の方が遥かに重要だと個人的には考えています。

標準レポートのランディングページ レポートの問題点

UIの使いにくさ

標準レポートには視覚的な美しさはあり単純なデータの推移を追うだけであれば、デフォルトのUIでも十分だと言えますが、分析用途としてより高度なレポートとしての用途では、デフォルトの標準レポートだと機能面でも使いづらいと言えます。例えばBIツールの基本機能であるグラフ インタラクション(グラフにフィルタ機能を持たせる機能)は標準レポートには備わっておらず、また累計表示や期間比較などが標準レポートではできない点です。そもそも標準レポートは分析用途として使うものではないため、とやかく言うものではないですが。

指標が不十分

標準レポートに備わっている「ランディング ページ」レポートで選択されている指標について、いくつか疑問を感じるのと、そもそもこれだけの指標だけではランディングページ分析として十分な分析はできないといってもいいでしょう。まず、セッションスコープであるランディングページにそれほど重要だとは思えない「アクティブ ユーザー」と「新規ユーザー数」の指標が並べられている点。また、「キーイベント」がイベントスコープであるため、計算式として合わなくなっている点。本来ここにはセッションスコープであるので、「セッションのキーイベント」を置くべきですが、現時点(25年5月)ではイベントスコープのキーイベント数が設定されています。

指標の不十分さでいえば、「ページ/セッション」「直帰率」「再訪問率」などの分析指標があればよいですが、このような指標はBigQueryを活用しなければ使うことができません。なので、このような理由からデフォルトの標準レポートの「ランディングページ」レポートがあまり使われず、魅力のあるレポートに見えない理由にもなっています。

標準レポートのランディングページ レポートの解説

標準レポートのランディング ページレポートにはいくつかの問題点がありますが、その点を踏まえて解説を記載します。

参考:[GA4] ランディング ページ レポート

ディメンション

  • ランディング ページ
    セッションの最初のページがランディング ページとなります。ランディング ページがディメンションとなるため、セッションスコープのレポートになります。

指標

  • セッション
    GA4のセッションは30分間の操作がなければセッションが切れます。この間のセッションは1カウントとなり対となるランディングページと紐付きます。新たなセッションが開始された場合は、別のセッションとなり1カウントとなります。そのため、セッション1カウントにつき、必ず一つのランディングページが対となります。
  • アクティブ ユーザー
    アクティブ ユーザーはユーザースコープの指標ですが組み合わせには問題ありません。この場合どのような意味になるのかというと、そのランディングページに訪問したユーザー数をカウントすることになります。ですが、あえてここでアクティブユーザー数の指標を確認する意味もあまり感じられないため、あまり重要度は高くないように感じます。
  • 新規ユーザー数
    こちらもユーザースコープにおける指標ではじめてサイトに訪問したユーザー数がカウントされています。ただ、この「新規ユーザー数」は同一の日に再訪問した場合には新規ユーザーとしてみなされないため注意が必要です。そのため、直感的には初回訪問日であればその日は、何度再訪問しても「新規ユーザー」とみなす方が適切だと私は考えるので、そのようなカスタマイズした「新規セッション数」という指標をBigQueryで作成して使っています。
  • セッションあたりの平均エンゲージメント時間
    サイト滞在時間をセッション数で割った値が「セッションあたりの平均エンゲージメント時間」にあたり、これはこのレポートにおいて選択されていることは適切です。
  • キーイベント
    「キーイベント」はイベントスコープで集計されている値が置かれているため、本来ここにはセッションスコープの「セッションあたりのキーイベント」が適切ですが、現時点(25年5月)ではそのような指標はGA4には存在しません。ですが、「セッション キーイベント率」が表示されているので「セッションあたりのキーイベント数」の指標も今後扱えるようになっても不思議ではありません。
  • 合計収益
    ここには金額を設定してある場合に、その合計収益が表示されます。
  • セッション キーイベント率
    セッション キーイベント率はその名称の通り、「セッションあたりのキーイベント数」をセッション数で割った値が表示されています。

BigQuery + LookerStudioを活用したランディングページレポート

以上、述べたようなGA4の「ランディング ページレポート」をより使いやすく、分析用途しても扱えるようにしたのが、BigQueryとLookerStudioで再構築した「高機能版 ランディング ページレポート」となります。

ディメンション

  • ランディングページ
    当レポートはランディングページ レポートでありますが、参照元情報(セッションの参照元/メディア)をセカンダリディメンションとしてドリルダウンが可能です。これによりランディングページの評価をさらに参照元情報ごとに貢献度を分析することが可能になります。

指標

  • 新規セッション数・新規セッション率
    GA4には「新規セッション数」という指標はありませんが、BigQueryで「新規セッション数」の指標を新たに定義して作成しました。この定義では、サイトに初めて訪問したセッションを「新規セッション」とみたて、同一日にセッションが変わり再訪問しても、そのセッションは新規セッションとしています。GA4の定義では同一日の再訪問であっても2回目のセッションでは再訪問とされてしまいますが、同一日をすべて新規訪問として定義することで、リピーター数も「セッション – 新規セッション」で求められるため計算式としても合致するため扱いやすくなります。また直感的にも初回サイト訪問日はすべて新規セッションとすることに違和感はありません。

  • ページ/セッション
    ランディングページを起点として、ページ閲覧回数の平均を求めたのが「ページ/セッション」でいわゆる「回遊率」と呼ばれる指標になります。この指標により、どのランディングページからのサイト回遊率が高くなるのかを分析することができます。
  • UA定義の直帰率
    GA4の「直帰率」は「エンゲージメント率」の逆数となっており、であればこの指標を使う意味はないといえます。なぜからエンゲージメント率を見ればよいからであり、誤解を招くような定義を並べる必要性はありません。このBigQuery版のこのレポートでは「直帰率」をユニバーサルアナリティクスと同義の定義の直帰率を算出し指標として扱えるようにしました。つまり、セッションの最初のページで離脱した率となります。またより直帰率を厳密にするためにpage_viewイベントが同じページで複数回発火した場合には、それを考慮して計算してあります。
  • 再訪問率
    ランディングページを起点として30日以内に再訪問した場合に、そのランディングページを再訪問に貢献したとして評価する指標となります。30日間の日数は変更可能です。この再訪問率を活用することで、そのようなコンテンツが再訪問に貢献しているかが可視化できるためリピーターを獲得するためのコンテンツ作成のための指標となりえます。
  • セッションあたりのキーイベント数
    サイト分析ではセッションを母数として計算することが多いのですが、現状のGA4のキーイベント数はイベントスコープにもとづいているため、セッションスコープのキーイベント数を算出するためにはBigQueryを活用する必要があります。これにより、セッションキーイベント率との計算とも合致した、「セッションあたりのキーイベント数」をもとにランディングページの評価をすることが可能になります。

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